欠損金の繰越控除
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世の中の景気や取引先の状況など外部要因によって、会社の業績が思ったように推移せず、
最終赤字で着地してしまうことがありますよね。この赤字を節税対策に使える「欠損金の
繰越控除」という制度があります。
欠損金とは、税務上の赤字のことで、その事業年度の税務申告書を作成するときの所得計
算で、益金よりも損金のほうが多くなり、その益金を超えた部分の金額をいいます。欠損
金の繰越控除は、翌事業年度以降9年間に渡って所得から発生した欠損金を控除できる制
度です。ただし、税務上のメリットを利用するには一定の要件が必要です。
欠損金の繰越控除を使うには
節税対策に使える欠損金の繰越控除を使うためには、「青色申告書の承認申請書」を管轄
の税務署に提出しておく必要があります。提出期限は、青色申告によって確定申告書を提
出しようとする事業年度開始の日の前日までです。つまり、今年が赤字になりそうだから
といって急に青色申告書の承認を申請しても認められません。
そのタイミングで青色申告書の承認申請を提出したとしても翌事業年度から適用となって
しまいます。ちなみに法人の設立事業年度のときは、設立の日から3か月以内に提出すれ
ばいいことになっています。
青色申告書の承認を受けたあとは、決算を迎えて所得計算して欠損金を算出し、青色申告
の確定申告書を提出します。その事業年度以降の事業年度でも毎年青色申告の確定申告書
を提出し続けている法人が控除を受けられます。
また、欠損金のあった事業年度で青色申告の確定申告書を出していれば、以降の事業年度
で白色申告の確定申告書を提出しても、欠損金の繰越控除が適用されます。
繰越期間が7年から9年に延長された
平成23年度の税制改正によって、平成24年4月1日以後開始する事業年度から繰越期
間が従来の7年間から9年間に延長されることになりました。この改正は平成20年4月
1日以後に終了した事業年度において生じた欠損金から適用されます。
なお、欠損金の繰越期間が9年間に延長されたことによって、帳簿書類の保存期間が9年
に延長されてしまいました。今までより2年長くなっていますので、書類をなくさないよ
うに注意しましょう。また、法人税の欠損金額に係る更正の期間制限も9年に延長されて
います。
大企業より中小企業の方が有利
平成23年度の税制改正によって、資本金1億円超の法人は、欠損金の繰越控除で損金算
入できる金額がその事業年度の控除前所得の80%までを限度とする制限がつきました。
しかし、資本金1億円以下の中小企業の繰越した欠損金は、その事業年度の控除前所得の
100%を限度額として損金算入できます。中小企業の方が20%有利ですね。
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